堅苦しいイメージのあるクラシック音楽ですが、そんなことはありません!…とは言い切れないのが実情。
燕尾服や華やかなドレスを身に纏った演奏家、身動きしづらい会場の静まった雰囲気。
リサイタルやオーケストラのコンサートは一般的に2時間程のプログラムで、休憩が15分〜20分程度。
演奏中はじっと座っていなければなりません。
正直、楽しく聴けるようになるまでは日頃から訓練が必要な分野なのです。
でもクラシック音楽って最高に楽しい!奥が深い!とクラシック音楽オタクは日々思います。
歴史・世界状況・作曲家の生い立ちや心情に密接に関わっていたり、ただ趣味で書いていたり、どの曲にもドラマが隠されているのかと思うとなんとも言えない感慨深さに浸る時もあります(あくまで個人による感想です)。
今回はクラシック音楽オタクのヴァイオリン講師による
「はじめてのクラシック音楽の聴き方」をご紹介します♪
STEP1:テレビやラジオ、YouTubeなど身近なツールで好きな楽器を見つけてみよう
まずは好きな楽器を探すために、身近なツールでクラシック音楽を聴いてみましょう!
クラシックに馴染みのない方はビギナー向けのクラシック音楽テレビ番組がおすすめです。
易しい解説付きで演奏時間も短めで気軽に観ることができます。
聴くのに疲れてきたら、録画しておいてあとで見返すこともできますよ。
YouTubeは膨大な数、良くも悪くも様々な演奏家による動画がたくさんあります。
サムネイルだけではその動画がビギナー向けなのか、質がいいものなのか、見てみないとわかりませんよね。
気軽に聴けるツールとしてはYouTubeはうってつけですが、初めてクラシック音楽を聴く場合はあまりおすすめしません。
ある程度クラシック音楽の知識がついてきてからYouTubeを使ってみましょう!
好きな楽器を探すにはオーケストラの演奏がおすすめ。
たくさんの楽器を一気に見たり聴いたりすることができ、見た目だけでも圧巻で大迫力!
王道のピアノもオーケストラに加わっている曲もたくさんあります。
是非好きな楽器を見つけてみてくださいね。
STEP2:「推し演奏家・演奏団体」を見つけてみよう
好きな楽器を見つけたら、その楽器を演奏する「推し演奏家・演奏団体」を見つけてみましょう!
国内外の素晴らしい演奏家、ご存命でない著名な演奏家、新鋭の若手演奏家など、録音さえ残っていれば世代を超えて様々な演奏を聴くことができます。
同じ曲でも演奏家によって演奏解釈が異なり全く違う音楽になります。
例えば、ベートーヴェン作曲 交響曲第5番「運命」はとても良い例です。
同じオーケストラで指揮者が違う、同じ指揮者でオーケストラが違う、たったそれだけで全く異なったダダダダーン!!が鳴ってくるのです。
余談ですが、私は「運命」を数え切れないくらい演奏したことがありますが、指揮者によって最初の振り方が全く違うので毎回とんでもなく緊張します…。
STEP3:好きな作曲家を探してみよう
好きな楽器、推し演奏家を見つけたら、好きな作曲家を探してみましょう!
例えばヨーロッパで好きな国、行ってみたい国から探してみても良いと思います。
クラシック音楽の台頭では
- ドイツ:バッハ、ベートーヴェン、ブラームスなど
- オーストリア:モーツァルト、シューベルト、マーラーなど
- フランス:ドビュッシー、ラヴェルなど
- ロシア:チャイコフスキー、ラフマニノフなど
他にもチェコ、イギリス、イタリア、フィンランドなど西欧東欧北欧ロシアの方まで様々な作曲家がいます。
同じ国の作曲家でも時代によって全く違う雰囲気だったり、逆に違う国でも同じ時代だから雰囲気が似ていたり、同じ作曲家でも作曲した年齢によって全く違う作風になることは非常によくあります。
どんなに個性的な作風の作曲家でも、長いクラシック音楽の歴史・影響を何かしら受け継いでいるので、意外な関連性を見つけていくのも楽しみの1つです。
STEP4:さぁ、クラシック音楽のコンサートへ行ってみよう!
いよいよ生演奏で聴く時になりました。
ドキドキのクラシック音楽のコンサート、最後まで楽しく聴きたいですよね。
そんな時に役立つ、よく訊かれるご質問をまとめてみました!
- そもそも演奏会はどのように探した良いのでしょうか?
好きな演奏家のウェブサイトや、クラシック音楽専門コンサート情報掲載サイトから探してみましょう!
音楽ホールではたくさん公演チラシが置いてあるのでそこから気になる公演に行ってみるのも良いです。- クラシック音楽のコンサートはちゃんとした他所行き服で行かなければならないのでしょうか?
最近はそのようなことはありません。プロのオーケストラの演奏会でもTシャツジーパンでいらっしゃる方はたくさんいらっしゃいます。好きな服装で聴きに行ってみてくださいね!
- クラシック音楽ってなんだか敷居が高くて行く難い…気軽に行けるコンサートはないのでしょうか?
数はどうしても限られてしまいますがそういった企画のコンサートはあります!
有名な曲をピックアップした公演や、出演者のサイン会が催される公演もあります。
お子様連れの場合、楽器体験ができるコンサートや、音楽ではない企業との協賛でワークショップがある公演などクラシック音楽に親しみが持てるようなコンサートもあります。- クラシック音楽のコンサートでルールのようなものはあるのでしょうか?
あります!
特に「拍手は指揮者が指揮棒を下ろしてから拍手をする。」は鉄則!なぜなら最後まで音の余韻や静けさに浸りたいからです。
誰かが拍手をしたら、後から自分も拍手をしてみましょう。- 寝てしまっても大丈夫ですか?
いびきをかいたり、隣の方にもたれかかったりなど迷惑行為がなければ問題ありません。
弾いている方が頑張って演奏しているので是非寝ないで聴いて頂きたいのですが、心地よい音楽を聴きながらうとうとするのもとても贅沢な時間かもしれませんね♪
ヴァイオリン講師としてはクラシック音楽を演奏しているなら、どんどん演奏会へ足を運んで欲しいと思っています。
クラシック音楽ならではの奏法、間の取り方、幅広い表現を体感して、真似をしてご自身の演奏に取り入れてみましょう!